はじめに
どうもpillolowです。
ドレミの歌の日本語詞を作詞されたペギー葉山さんのニュースを見て、
ご冥福をお祈りするとともに、改めてドレミの歌の凄さを考察してみます。
いやはや、ちゃんと聞いてみると、やっぱりいい曲ですね。
ドレミの歌って実は難しい
ドレミの歌って凄く難しいのです。実は。
この難しさで、これだけ国民に浸透していることが逆に驚愕です。
楽譜を見てみましょう。
意味のある歌詞のついている前半部分₍上から4段分₎について、今回取り上げます。
まず難しさの証明として、一般的な童謡について考えてみます。
童謡のメロディは単純
童謡は誰でも歌えるような単純さが「ウリ」なわけで、
メロディやコード進行が単純なのが普通です。
以下代表的な3曲で使われるコードを書き出してみます。
・メリーさんの羊 … C,G
・かえるの歌 … C,G
・チューリップ… C,F,G
複雑にしようと思えば、いくらでも複雑にはなりますが、
3コードあれば十分なのです。
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ドレミの歌のメロディは複雑
それでは改めてドレミの歌です。
2段目までは3コードのみの構成で、普通の童謡と同様です。
しかし、3段目以降で、注目してほしいのは「ラはラッパのラ」と「シは幸せよ」。
メロディに#シャープが登場しています。
セカンダリードミナントコードが登場したせいですね。
C=T(トニック)、G=D(ドミナント)、F=(サブドミナント)
に対してD,Eはセカンダリードミナントコードと呼ばれ、
これらを使うと一次的に転調した雰囲気になります。
※「よく分からないぞ?」という人は、
詳細は、初歩の理論書などで一通り押さえておくと、
今後のために良いと思います。
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ちょっと話が横道にそれますが、
ドレミの歌ゲームというのが、昨年流行ったらしいですね。
発祥はバナナマンで、内容はこんな感じ↓
これが難しいのは、
途中で一次転調するのも要因の一つだと僕は思う。
話を戻すと、この曲で僕が一番センスを感じるのは、
・E → C で戻るコードの流れと、
・C7上で「さあうたい」で半音下がりになるところです。
FGCという本流のコード進行に戻る所で、自然に半音下がりのメロディ。
・・・これは勉強になります。
ペギー葉山さんの日本語詞のセンス
日本でこの歌が国民的地位を築いたのには、
彼女の素敵な日本語詞の貢献が大きかったのでしょう。
僕が感心するのは、基本的にドは「ドーナッツのド」「レはレモンのレ」など、
初めと終わりの文字が一致していると思いきや。
「ソは青い空」でいとも簡単にルールを崩す柔軟さです。
でも、次は「ラ」の段だから「そラ」で違和感はない。
「シは幸せよ」なんていきなり文章というかセリフになっちゃう。
けど、「よ」と「ド」の母音が一緒の「O」だから違和感がないし、
何より「幸せよ」なんてポジティブで最高の歌詞だ。
おわりに
ドレミの歌は、他の童謡とは一線を画すクオリティだと
個人的には思っています。
①意外とテクニカルなコード進行とメロディ ←でも聞いている人に意識させない
②口ずさみやすいポジティブな歌詞
あれ、これって普通に良いポップス作る条件じゃね・・・??
おしまい。
サウンド・オブ・ミュージック45周年記念盤 オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]